BETABOME(ベタ褒め)FACTORY

自分を褒めて。同時に他人も褒めて。色々感じたことや考えたことを書きます。

アート「シュルレアリスムを紹介する」

Hi!
「シュール」
という言葉があります。
「シュールな光景だなぁ」
「シュールなお笑いコントだね」
といった具合。
日本語としても定着している言葉で、日常の中で結構気軽に使われる。

私たち日本人は
「日常では見かけない奇抜な状態」
を体験した時、
「シュール」
と口にする。
そんな何気なく使われる「シュール」という言葉。
この言葉は、フランス語「シュルレアリスム」が元となっている。
この「シュルレアリスム」という言葉は「芸術用語」で、日本語に訳すと
「超現実主義」
誤解されやすいが「超現実主義」ってのはめちゃくちゃ現実主義者ってことではない。
例えば
天才!!幼稚園児が4歳の時に将来を綿密に設計する。
入学する小学校、中学、高校を厳選し、勉学に励み、東大を卒業して、銀行員を勤め、老後に備えるぞ。
「あたちは超!現実的に生きてくんだ!」
「わおっ!この幼稚園児って「超」現実的っ!!!」
。。。。
これは「シュルレアリスム(超現実主義)」ではない。笑

「現実」を超える
これが「シュルレアリスム」の意味である。
「現実を一線、超えちゃった主義」
の方が分かりやすいかも。
「現実」を超えた先、
そこは「夢」や「無意識」の世界だ。
今回は非現実的な夢の世界。不思議でちょっぴり不気味なアート「シュルレアリスム(超現実主義)」の魅力を紹介したい。

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アイキャッチ画像。ちょっぴり「シュルレアリスム」を意識して描きました。

 「シュルレアリスム」のはじまり

シュルレアリスム」の楽しみ方、味わい方、魅力を力説する前に、
そもそも
シュルレアリスム」ってなんなん?
ってところからはじめよう。

シュルレアリスム」は1924年フランスの詩人「アンドレ・ブルトン」が著作した
シュルレアリスム宣言・溶ける魚』がはじまりである。
そう。
もともと「シュルレアリスム」は文学が出所だ。

ブルトンは「溶ける魚」の中で
「自動記述(オートマティスム)」
という技法を用いる。
「自動記述(オートマティスム)」ってのは簡単に言うと
物凄く早い速度で、予定、構想を全く練らずに文章を書いていく方法だ。
説明するより、俺が今やってみた方が分かりやすいので、ちょっとやってみるね。

開始!!

俺は、朝、植物と、会話していて、赤い、青い、もしくは美しくない、壁が、とてつもなく、恐ろしく思われた。
だから私は急遽、魚をよんだ。嵐を読んだ。
すると懐かしい歌が蘇るとともに、とても、真っ黒い、水が口からこぼれ出した。

終了!!

感想。
疲れる!!!意味不明!!!
そして
実は、自分の「自動記述」の出来の良さにちょっぴり自惚れた。笑

まぁ自惚れはおいといて。
やはり。
。。。。
ヤバイやつやんけ!!笑
けど、ブルトンの『溶ける魚』も確かこんな感じだった。
で、
これ、、
マジでお勧めしない!
周りにヤバいやつだと思われるのはもちろんのこと、
この技法「自動記述(オートマティスム)」を極めていくと、
あっちの「ヤバい世界」から帰って来れなくなるからだ。
あっちのヤバい世界って?
統合失調症
俺は「自動記述(オートマティスム)」続けると「統合失調症」になると思っている。
因みに確かブルトンは「自動記述(オートマティスム)」を続ける過程で、日常的に窓の外を魚が泳いでいる幻覚を見るようになったらしい。
ヤバいヤバいヤバい。

そんなヤバい「自動記述(オートマティス)」なんだけど、この技法がもたらした恩恵もあるのだ。
それは俺たちが普段意識していない「無意識」の世界。
そして「夢」の世界。

例えば「夢占い」というものがある。
ちょっと余談だが俺は昨日、夢を見た。

夢の中で遠くから槍投げの変人が俺に向かってひたすら槍を投げて、俺を殺そうとする夢だ。

最悪な夢である。笑

夢占いによると、俺は精神的な「不安やストレス」を抱えてるんだってさ。
俺は「不安やストレス」を「意識」していなかった。
「夢」を見ることではじめて「不安やストレス」を「意識」したのだ。
そう。
「夢」とは「無意識」の世界。
「自動記述(オートマティスム)」は突き詰めていくと「無意識」の世界にたどり着く。
なんにも予定しないで物凄く早く文章を書くってことは「意識的」に文章をコントロールすることができないからだ。
「無意識」の世界
「夢」の世界 
「非現実的」な世界
これが「シュルレアリスム」のキーワードだ!

シュルレアリスム」の魅力と楽しみ方

シュルレアリスム」が持っているのキーワードは
「無意識」の世界
「夢」の世界
「非現実的」な世界
である。
補足になってしまうが、「無意識」については「自動記述(オートマティスム)」からのアプローチのほか「ジークムント・フロイト」の行った「精神分析」からの流れもある。
当時、第一次世界によって、とても悲惨な目にあって精神的な疾患を患った兵隊を治療する目的で
フロイト精神分析をおこなう過程で「無意識」を重要視しているのだ。
また「夢」に関しては画家「マックス・エルンスト」や「ルネ・マグリット」が積極的にアプローチを試みている。
なので「シュルレアリスム」の起源が簡単にブルトンの「自動記述(オートマティス)」だと言い切ることはできない。
けど
まぁ「シュルレアリスム」の大まかなイメージはこんな感じだ。

では、ここからは「シュルレアリスム」の魅力について語っていきたい。
一般的にはあんまり馴染みがないように思われる「シュルレアリスム
しかし俺はこれ「シュルレアリスム」だなって感じる作品が多いので紹介していく。

【小説】ルイス・キャロル不思議の国のアリス
少女アリスがウサギを追いかけて、穴に落ち、夢の世界へと転がっている。
「夢」
「非現実的」
まさに「シュルレアリスム」の性質を持った作品だと思う。
物理法則を無視した世界やおかしな事をいうキャラクター達。
俺の中で特に印象的なのは「狂った帽子屋」だ。
「きらきらコウモリの歌」を歌いながら、底が破れたマグカップにお茶を注ぐ。
さらにアリスに向かって
「カラスと書き物机が似ているのはなぜか?」
という答えのないなぞなぞを問いかける。
イカれてやがるぜ。
またチェシャ猫が消える瞬間、ニヤリとわらった口が三日月に変わったり、
ハートの女王のクレイジーな感じもおっかない。
どいつもこいつもイカれてやがるぜ。
なのにこの作品には魅入っちゃう面白さがある。

【小説】村上春樹羊をめぐる冒険」「ねじまき鳥クロニクル」など
村上春樹の小説は俺的にはほぼほぼ「シュルレアリスム」だと思う。
まぁ「ノルウェーの森」とかは違うかも。
(大昔に読んだので記憶が曖昧です)
例えば、突然いなくなった妻を探すために主人公は裏庭の井戸に潜って行ったり
誰かを追跡する過程でイワシが空から降ってきたり。
物語が進む過程で、
よくわからない「観念の世界」や「夢の世界」

「現実的な世界」が混じり合っていく。
彼の物語構成は
はじめは「現実的な物語」だったのにもかかわらずどんどん「非現実」がやってくる。

なんやかんやあって主人公はまた現実に帰ってくる。
これはまさに「シュルレアリスム」の特性
「現実」から「非現実」へ
だ。

以上2点。
俺が文学で「シュルレアリスム」だなぁと感じる作品を紹介した。
そしてここで俺が思う
シュルレアリスム」の作品を楽しむ方法と味わい方のちょっとしたコツ
を紹介しよう。
それは
「夢」の世界を楽しむこと
プカプカとフワフワとした地に足がつかない感覚を楽しむこと
である。

間違っても
「なんで!!!失踪した奥さんを探すのに警察にいかねぇんだよ!!
なんでバーで出会った別の女と抱き合いながら、宇宙法則を語ってんだよ!
馬鹿かよ!!」
とか、現実的に考えちゃいけない。笑

だって「無意識」であり「夢」なんだもん。
変なことが起こりまくって当然の世界さ。

そんなヘンテコリンを味わう。
そんな不思議を味わう。

そんな不気味を味わう。
そんな浮遊感を味わう。
これが「シュルレアリスム」の醍醐味だ!

文学から「シュルレアリスム」に迫ったが、実は身近なところでいうと音楽にも「シュルレアリスム」を感じる曲があったりする。
バンド「Mr.Children」の11枚目のアルバム「シフクノオト」の「Pink~奇妙な夢」という曲。
バンド「DIR EN DREY」の26枚目のシングル「輪郭」
このへんはまさに「シュルレアリスム」の性質が存分に表立っている。
どちらの曲も「夢」がキーワードになっている。
聞いているとちょっぴり不気味で不思議で浮遊感があるのだ。

もちろん絵画においても
ルネ・マグリット」や「マルク・シャガール」、「オディロン・ルドン」などの作品も「シュルレアリスム」の楽しさを味わうことができる。
しかし、絵画にとどまらず「シュルレアリスム」の性質を持った作品て案外多かったりするのだ。

いかがだったでしょうか。
今回は「シュルレアリスム」の魅力に迫ってみました。
シュルレアリスム」の性質は
「無意識」と「夢」
シュルレアリスム」を楽しむコツ、味わうコツは
プカプカしたフワフワした夢の世界を楽しむ。
ヘンテコリンな世界を味わう。
ちょっぴり不気味な世界を味わう。
地に足がつかない浮遊感を味わう。
こんな感じです。
また、絵画や文学に止まらず
「このデザインは「シュルレアリスム」の流れを意識しているな」
とか
「この演劇は「シュルレアリスム」の特性「夢」を意識しているな!」
なんて考えながらいろいろなモノを見てみると、そのモノや作品に対する認識や見方が深まって楽しいかもしれません。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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