BETABOME(ベタ褒め)FACTORY

自分を褒めて。同時に他人も褒めて。色々感じたことや考えたことを書きます。

アニメ「リトルウィッチアカデミア」をベタ褒めする(前編)

リトルウィッチアカデミア」は「株式会社トリガー」が制作したテレビアニメで、2017年に放送された。このアニメはテレビアニメ版の他、映画版もあるが、今回はテレビアニメ版について語りたい。話は全25話。個人的に1話から13話までが1期、14話から25話までが2期だと捉えている。
(OP、EDも変わるしね)
記事の中でネタバレがありますので、このアニメを見たことがない人は、記事を読まず、是非アニメを見て欲しい。
基本的に明るく、笑いあり、感動ありの物語で、大人も子どもも鑑賞できます。
リトルウィッチアカデミア」の方がドタバタコメディ感がが強いが、なんとなく雰囲気が「ルーシー・モード・モンゴメリ」の「赤毛のアン」に似ているな、とも思った。
俺はこのアニメが大好きだ。
そして今回このアニメの魅力を1期に焦点を当てて話したい。
前提として「株式会社トリガー」のつくるアニメはどのアニメもみんな熱い。見ていて
「うおぉぉぉぉ!!」(熱)
ってなる。笑
「人の心を熱くさせる」それは凄いことで「株式会社トリガー」が作るアニメの個性だ。
しかし「リトルウィッチアカデミア」には熱さに加えて「+α 素晴らしい何か」があった。
なので「リトルウィッチアカデミア」をベタ褒めしながら、このアニメの「+α 素晴らしい何か」に迫っていく。
この記事にはネタバレがあります。

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物語は、アツコ・カガリ(以下アッコ)を主人公にした学園生活が描かれていて、
基本的には1話完結。
アッコは幼い頃に見た、シャイニーシャリオ(以下シャリオ)の魔法ショーに感動し、シャリオに憧れて魔法学校ルーナノヴァに入学しする。そしてシャリオのような魔女を目指して奮闘する。アニメではアッコ、そしてアッコ中心に彼女を取り巻く様々な人の日常が描かれている。
ベタ褒めするにあたって、

1アツコ・カガリの魅力
2人は人に影響を与えながらかわっていく
3憧れや夢の必要性

の3つに分けて考えていきたい。

アツコ・カガリの魅力

アッコには魔法の才能が全くない。
(アッコの才能に関しては2期で説明されるね)
箒で空を飛ぶことも出来ないし、はじめは変身魔法も使えない。
なにも出来ない。
それはもう、目も当てられない。
まじで。
アッコがシャリオのような魔女を目指す大変さは、滅茶苦茶身長の低い人がバスケやバレーのプロを目指すようなイメージ。
周りの人はたぶんこう言う。
「やめとけ。おまえには才能がない」
「無理だよ。現実を見な」
「できるわけがない」
と。けれどアッコは決して諦めない。
決して諦めないのだ!(大切なことなので)
ちょっと考えてみよう。
例えば自分がなにかに挑戦してみたいことがあった時、どうする?

やる
やらない

選択肢は2つ。
ここで「やる」を選択した場合、思ったほどの結果が出なかったとしよう。
もちろんいきなり眠っていた才能が開花するってパターンもあるかもだけどなかなか稀だ。
するとまた選択肢が現れる。

やり続ける
ほどほどにやる
やめる

どの選択肢をとっても良いし、個人が決めることだ。
しかし、何かに挑戦してみた結果、自分の実力のなさをさめざめと見せつけられることは多々ある。
それがスポーツでも芸術でもマーケティングでも、勉強でも。
その世界(業界)のなかで自分より凄い人才能を持っている人や技術を持っている人は山ほどいる。それを実際目の当たりにした時

やり続ける

という選択肢をとることの難しさ。
特に今日、SNSにてその世界(業界)の凄い人たちの技術が簡単にシェアされる時代となった。だから、良い意味でも悪い意味でも諦めがつきやすい世界だと感じる。
俺は諦めることは決して悪いことではないと思う。
手放すこと、諦めること、別の選択肢を考えることも大切だ。
身長が低いから、バスケの選手を目指すのは諦める。身長が低いからバスケの選手を目指すのは諦めて別のスポーツに挑戦する。バスケを趣味にして程々にやる、という選択肢もある。
どれも正しい答えだ。

しかしアッコは・・・
アッコは決して諦めなかった

アッコはやり続ける

という選択を選んだ。
才能が全くないにのにも関わらずだ。
まじかよアッコ!
なんで彼女は「やり続ける」といういばらの道を選ぶことができたのか
それは
ただただシャリオのような素敵な魔法使いになりたい、という
「憧れ」
アッコにはそれしかなかった。
アッコは「憧れ」という感情だけを頼りに、「気持ちだけ」で奮闘する。
例え周りがバカにしても、何度練習しても一向に魔法が上手く使えない、という現実を見せつけられても、アッコは諦めない。
凄いの一言に尽きる。
第3話「Don't stop me now」にて優等生で箒レースに優勝したダイアナがアッコのことを「その気持ちだけは評価する」と言う。そしてアーシュラ先生が「本当、気持ちだけよね」とかつての自分を振り返るようにして呟く。
この場面が好きだ。
そう
「気持ちだけ」

どんなに才能や技術があって凄いように見える人でも、つまりダイアナもシャリオも最初は
「(やりたいっていう)気持ち」
しかなっかった。
だけど、この「気持ち」がなにより大切な光だと思う。
俺の大好きな第7話「オレンジオブマリナー」でアッコは不器用ながらも、少しずつ魔法を身につけていく。
変身魔法は不十分で魚に変身しようとしても半魚人になってしまうが、しかし、確実に成長していく。
そんな中で教師フィネランは常識、世間体にとらわれ、アッコを否定し退学を促す。
それをアーシュラ先生はかばう
「建前や世間体ばかり気にして、彼女自身の成長を見ない、そんなの馬鹿です!」
(確かこんな感じの言葉)
この言葉は本当に熱く良いセリフだ。
アッコの「気持ち」そしてそれだけを頼りにしてひたすら努力し続けた、アッコを認め、アッコを救うアーシュラ先生。
実はここでアッコはアシューラ先生に救われるが、同時にアーシュラ先生自身もアッコに感化されている。
最高のシーンである!

人は人に影響を与えながらかわっていく

アッコの「気持ちだけ」で動く姿勢、努力する姿勢は徐々に人々の心をかえていく。
それが大きく描かれた場面が12話「What you will」13話「サムハインの魔法」
つまり1期のラストである。
この話は本当に素晴らしい。
学園祭を行うにあたってアッコはロッテとスーシィとともに「いけにえ係」に着く
(なんだよ。いけにえがかりって!)
いけにえ係とは、嘆きのバハロアという亡霊に食べられる係だ。
命には別状ないがバハロアの体内を通って排泄されるという、罰ゲームのような係である。
思うよな。やりたくねー
案の定、アッコたちはみんなの笑い者にされる。
アッコも当初は自分の役割に不満だった。
しかし彼女は憧れのシャリオは学園祭で1番になって賞をもらうことではなく、もっと純粋に
「みんなを喜ばせたい」
という気持ちで学園祭に臨んでいたことを知る。
だからアッコは
「やりたくねー」
ではなく
「みんなもバハロアも自分の魔法で楽しませよう」
と考え計画を練るのだ。
ロッテもスーシィもアッコの計画に反対だった。
「無理だ」「普通で良い」と。
けど、アッコは自分もシャリオのように「みんなもバハロアも自分の魔法で楽しませる」という目標を諦めなかった。
何度失敗しても目標の為に練習を繰り返した。
その時何が起こったか。
奇跡が起こった。
アッコに影響され人がかわった
ロッテとスーシィがアッコの姿勢を見て、考えを変えた。
アッコの計画を認め協力しよう、と言ったのだ。
アッコは魔法の才能がなかった。
技術もない。
今だに空も飛べない。
変身魔法も不安定だ。
けれどアッコは人をかえた。
彼女にあったのは憧れ、そして強い気持ち。それがロッテとスーシィを感化させ2人をかえた。
ここで3人は友達から親友になった。

伊坂幸太郎という小説家が物語の中でこんなことを言っている。
「勇気は伝染する」と。
何かに向かって勇気をだして一生懸命頑張っている人は、周りにいる人も同じような気持ちにさせる。俺も勇気を出して挑戦してみようって気になる。
また思いやりがあって優しい人が周りにいれば、自分もその人の優しさに触れて優しい人になっていく。
人と人は互いに影響し合いながら生きている。
アッコの強い気持ちがロッテとスーシィに伝染したのだ。

アッコはロッテ、スーシィの協力を得て、ショーに臨む。
そして結果、観客、そしてバハロアさえ笑顔にしてしまうのだ。
アッコの強い気持ちや姿勢は、アーシェラ先生を感化させ、ロッテとスーシィの考えをかえ、魔法を毛嫌いしていたアンドリューをかえ、学園祭の観客を感動させるまでに至った。
凄いシーンである。
アッコは見事「みんなもバハロアも自分の魔法で楽しませる」を実現したのだ。
才能は無かった。技術も無かった。
あったは「気持ち」
けれど、彼女の気持ちは色々な人に伝染した。
安直かもしれないが、言いたい。

一生懸命、目標に向かって努力し、人に思いやりの気持ちを持って接していれば、目標は達成する。夢は叶う。

アッコは見事、かつて憧れのシャリオがやったように「魔法でみんなを楽しませる。感動させる」という夢を実現させたのである。

憧れや夢は必要なものか

憧れや夢ばかり見ていないで現実を見ろ。
よく言われる言葉だ。
けど見て!
アッコには「憧れ」しかなかった。
結果
アッコはシャリオへの憧れだけを頼りに「強い気持ち」を維持し続け、人の心を動かした。
そう。
憧れだけ。
だから思いだしてみたい。
自分にとっての憧れを。夢を。
子どもの頃瞳を輝かせてみていた自分のヒーローを。
そしてそのヒーローからもらった「情熱」を。
挑戦してもうまくいかないかもしれない、失敗するかもしれない。
もちろん、やらない、という選択肢もある。
趣味と割り切って程々にやるという選択肢もある。
しかし、アッコはただ前だけを向いてやり続けた。
かつて彼女のヒーロー(シャリオ)がくれた情熱の炎はずっと彼女の中で燃えていた。
そしてその心は伝染する。
アッコの情熱は周りに勇気を与えた。
「無理かもしれない」「できないかもしれない」
とアッコに言った時アッコならきっと
「きっとできるよ。やろう!」
と言うだろう。

人が生きていくにあたって、憧れや夢が必要なのか不必要なものなのかは分からない。
夢に向かって一生懸命頑張っていたとしても、必ずうまくいくという保証はない。
いっそ、憧れや夢がなかった方が楽か?
と思うこともある。
けれど「憧れ」しか持っていなかったアッコはずっと楽しそうだった。
なんの才能も技術もないのにただ、一生懸命で、楽しそうで、アッコの瞳は輝いていた。
だからアッコに習って俺たちも楽しみながら、心に夢や憧れを抱きたい。
このアニメ「リトルウィッチアカデミア」の凄さ。
それは時に笑い、時に熱いシーンを通して、憧れや夢の価値を謳っているところだと思う。
これがこのアニメの「+α 素晴らしい何か」だと感じる。

2期でアッコは挫折を経験するが、その時はアッコの周りがアッコを助ける。
アッコは完璧な人間ではない。むしろダメなところの方が多い。
しかし彼女の憧れと夢を見る瞳に周りは感化され勇気をもらう。
憧れと夢をまっすぐに見る瞳、それがいつか多くの人を巻き込んで物凄く大きな希望の力を生む。
それこそが「魔法」なのかもしれない。

上手くいかない時だってある。
失敗することだってある。
けどうつむいてしまいそうになった時には、アッコのこの言葉を思いだす。

「一緒に笑おう!バハロア!」

ありがとうございました。

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