BETABOME(ベタ褒め)FACTORY

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アニメ「魔入りました!入間くん」第10話「激闘、処刑玉砲!!」の感想。アスモゼウスが良い奴すぎる神回

Hi!
「魔入りました!入間くん」は西修氏による学園コメディー漫画で、2019年10月からNHKで、アニメ放送された。
俺が今季の冬のアニメで一番楽しみにしているのがこのアニメ。
面白い!
基本はコメディ。ギャグ。
なんだけど、
主人公の入間と彼をとりまく悪魔たちとの友情が深まっていく過程が見ていて心地よい。
また、さりげない描写の中で、ふと入間や悪魔たちの生き方から学べるところがあるのも見逃せない。
そして先週(2019.12.7)の第10話「激闘、処刑玉砲!!」
この回も最高に面白かった!
入間の闘志や勇気もさることながら、彼のオトモダチ、アスモデウスの入間に対する向き合い方は非常に潔く、見ていて心地よかった。
見た後、とても清々しい気持ちになったよ!
また、入間とアスモデウスの心情の変化、成長も見所の1つだと思う。
なので今回は第10話「激闘、処刑玉砲!!」の感想を書きつつ、
入間とアスモデウスの心情の変化と成長に迫りたい。
話は

  1. 入間とアスモデウスは共に他人主軸(他者依存的)な生き方、という点で似ている
  2. 他人主軸の生き方から自分主軸の生き方へ

(この記事は「魔入りました!入間くん」の第10話を見た人向けです)

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 第10話「激闘、処刑玉砲!!」の概要

悪魔学校に通う主人公「鈴木入間」(以下入間)は、頼み事を断れない極度のお人好しだ。
他人の「お願い」という言葉に弱く、すぐに
「いいですよ」
「分かりました」
「僕がやりますね」
と相手の頼みを快諾する。
人間界にいた時は、両親の勝手な都合でお金を稼ぐため、様々なバイトに明け暮れた。
14歳なのに苦労人である。
入間本人も言っていることだが、
「僕は今まで他人にどう見らているか。そればかりを気にしていた」
と発言している。
「自分の為」の目標がない
と。
その言葉に対して、生徒会長の「アザゼルアメリ」(以下アメリ)は
「学生の本分は勉学だ。昇級試験に臨み位階(ランク)をあげるのはどうか?」
という提案を出す。
その提案を受け入れた入間は生まれて初めて、
「位階(ランク)をあげる」という
自分の為の目標を決定し、それにむかって努力する

昇級試験は「処刑玉砲」人間界でいうドッジボールだ。
しかし、悪魔同士で行われるドッジボールはパワーが桁違いだったり、魔法の使用が認められていたりと、危険極まりなかった。
それでも入間は昇級という目標に向けて、執事「オペラ」の厳しい修行を受け、試験に臨む。
第10話「激闘、処刑玉砲」はその昇給試験当日の物語である。

入間とアスモデウスは共に他人主軸(他者依存的)な生き方という点で似ている

入間には「アスモデウス・アリス」(以下アスモデウス)というオトモダチがいる。
アスモデウスは入試主席の優等生悪魔だ。
入学式で自分の顔に泥を塗った入間に決闘を申し込むも、完敗。
入間はほぼ運(常人離れした危機回避能力)でアスモデウスに勝利した。
しかしそれを知らない彼は入間に完敗した結果、入間に忠誠を誓うようになる。
アスモデウスの思考は案外単純だ。
自分より強い奴に従う。
これだけ。
「強さ」を「絶対的な基準」にしている。
そしてアスモデウスは自分に勝った入間を「自分より上の存在」と認識するようになる。
忠誠を誓う、といえば聞こえがよくかっこいいが、
これは入間(自分より強者に対して)に盲目的になったとも言える。

このアスモデウスの考え方は「他人主軸」の考え方であり「他者依存的」である。
アスモデウスは強者(入間)を「絶対の基準」として忠誠を誓う。
彼の中では入間が「絶対的な基準」になった。
だから「入間様!入間様!」と全力で入間を支持し、応援し、支えようとする。
アスモデウスは入間に「依存」している、
と言ってもいい。
しかし、実は入間にも同じことが当てはまる。
前述した通り入間は
「他人にどう見られているか。そればかりを気にして生きてきた」
と告白している。
この入間の生き方もまた「他人主軸」であり「他者依存的」である。
だって、入間が一番重要視する点は「他人の目」なのだから。
と言うことは裏を返せば、
入間は他人「お願い(命令や指示)」がなければ自らの意思を持って行動できない。
ということ。
アスモデウスは「入間」という「個人」に対して「他人主軸(他者依存的)」であるが、
入間の場合は「周りに人」、という「大勢」に対して「他人主軸(他者依存的)」と考えることが出来る。

この辺を踏まえつつ、今回の昇級試験「処刑玉砲(ドッジボール)」の流れを追ってみると非常に楽しい!
なぜって???
入間とアスモデウスの「他人主軸(他者依存的)」な考え方に大きな変化が見られるからである。

「他人主軸」の生き方から「自分主軸」の生き方へ

昇級試験である「処刑玉砲(ドッジボール)」は教師「ナベリウス・カルエゴ」の監督の下行われた。
ここでアスモデウスにとってアクシデントが起こる。
それは入間と別のチームになってしまったということ。
つまり入間とアスモデウスはルール上、敵対関係になる。
アスモデウスは考える。
入間に花を持たせる為の方法を。
入間が昇級できる方法を。

アスモデウスが思考をめぐらせている間も試合は進み、
「常人離れした危機回避能力」を持った入間と主席のアスモデウスは当然のことながら最終局面まで残る。
要するに構図は、
入間とアスモデウスの一騎討ち。
アスモデウスは、自分がわざとボールに当たって負けることで、入間が昇級することを望む。
が、
入間の表情を見て、自身の愚かしさを知る。
「あんな近くで入間様の努力を見ていながら、
自分のことばかり。
入間様が今どんな気持ちであそこに立っているか。
考えもしなかった。
恥を知れアスモデウス!」
そう。
アスモデウスは入間の「昇級」に対する真剣で真っ直ぐな姿勢に触れる。
そして
そんな入間の真剣な姿勢に、自分が行おうとしていた
わざと負ける
という行為が、失礼極まりないことを自覚するのだ。
この気づきはアスモデウスは入間への盲目的な思考を止めることに繋がる。
そしてそれは入間を本当のオトモダチとして接し、本気で入間にぶつかることに繋がる!!
「全力には全力で
私は礼節を重んじる悪魔。
アスモデウス・アリス。
本気でいかせていただきます!」

このアスモデウスの気づき、と心情の変化は最高だ!
ここで注目すべきはアスモデウス
「自分のことばかり」
という発言をしている。
そう、
「入間に対する盲信」というのは「入間様!入間様!」と一見、他人(入間)を立てているように見えて
実のところ、「超!自分本位」なのである。
ここから、見えてくることがある。
それは、
「他人主軸(他者依存的)」な考え方や生き方は、一見、他人を思いやっているように見えるが、
その実「自分本位」「自分勝手」と言うことである。

「他人主軸(他者依存的)」の生き方は裏を返すと「超!自分本位」
なぜか?
それは
つねに『基準が「相手(入間)」』だから。
これは、自分の家族や恋人、友人にも置き換えて考えることが出来る。
仮にもし、相手の基準や価値観が変わったらどうする?
相手の基準は、実は自分が勝手に思い描いた妄想だったらどうする?
「今までのアナタじゃないわ!!」と嘆く?
「よくも裏切ってくれたな!!」と怒る?
「騙された。。」と恨む?

基準を他人に設定している「他人主軸(他者依存的)」の考え方、生き方は、
その実
「自分のことばかり」
アスモデウスはそこに気が付く。
「本気でいかせていただきます」
アスモデウスが本気で入間に向かうことで、
アスモデウスの入間に対する「盲信」、という呪縛は解かれた。
そして、今回は「運」ではなく、
入間の実力によってアスモデウスは入間に完敗するのである。
入間は練習によってアスモデウスの炎を纏った破壊力満載のボールを
「臆さずキャッチ」し「常人離れした危機察知能力」を応用し、その「回避」の動きを「攻撃」に変換することで、見事、アスモデウスに勝利した。
ここで、アスモデウス
「完敗です。やっぱり入間様にはかないません」
この言葉には、本当に感動する。
アスモデウスの入間に対する盲信は解かれ、
2人の関係が、えこ贔屓なしの、本当にオトモダチになったことを実感するからだ。

アスモデウスと同様に入間の心情にも変化が見られる。
それは
初めて自分の為に頑張って、成果が出た喜びを実感すること
入間もまた
他人の為に頑張る
という「他人主軸(他者依存的)」の考えから、
自分の為に頑張ってそれを成果につなげた
という
自分主軸の生き様を見せた。
この場面も感動する。
そう。
この「魔入りました!入間くん」第10話「激闘、処刑玉砲」は
入間とアスモゼウスが
「他人主軸(他者依存的)」の生き様から脱却し、「自分主軸」の生き様を手に入れる物語なのだ!
その結果、
入間は「自分の為に頑張ること」の楽しさと喜び。
そして
「自分の為に頑張ってきたことが身を結んだ瞬間」がどれだけ嬉しいか、を身をもって知る。

またアスモデウスは入間にわざと負ける。
という他人主軸(他者依存的)な考えを捨て、入間に本気でぶつかる選択を選んだ。
そして結果、
入間に対する「盲信」は消え、それが本当の意味で入間とのオトモダチ関係(友人関係)を結ぶことに繋がったのだ。

以上になります。
今回は「魔入りました!入間くん」第10話「激闘、処刑玉砲!!」の感想でした。
この昇給試験の一連の経緯をもって、入間とアスモデウスの心情は変化し、彼らは大きな成長を遂げたと思っています。
試験を通して2人が本気でぶつかることで、
入間は「自分の為に頑張る喜び」を
アスモデウスは忠誠(盲信)ではない友人関係を手に入れることができました。

仮に最後の一騎討ちの場面でアスモデウスが手を抜いた場合、
入間の昇級は叶わず、入間の努力が報われないばかりか、アスモデウスもまた自身の心に大きな傷を負うことになったでしょう。
本当に、良かったよ!!
入間もアスモデウスも2人とも最高にかっこよかったです。
「魔入りました!入間くん」は終始、ギャグ&コメディテイストで物語は展開されますが、
第10話「激闘、処刑玉砲!!」は非常に考えさせられる話でした。
私たちは日々生活を送る中で、「他人主軸(他者依存的)」な選択を取ってしまいがちなように思います。
しかし、それって実は自分にとっても相手にとっても、本当は良くないことなのかも知れません。
入間やアスモデウス
互いに相手に対して真剣に向き合う
という姿勢をもって、この「他人主軸(他者依存的)」な考えから脱却したように感じます。
その結果、
入間は仲間から胴上げされ、
アスモデウスもまた仲間から胴上げされ、
さらに入間は「アレフ(1)」から「ベト(2)」へと位階をあげることを成し遂げました。
万々歳!!!
本当に清々しく心地良い。そんな第10話でした!

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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