BETABOME(ベタ褒め)FACTORY

自分を褒めて。同時に他人も褒めて。色々感じたことや考えたことを書きます。

ゲーム 感想「タクティクスオウガ(Tactics Ogre)」をベタ褒めする

タクティクスオウガTactics Ogre)」は、1995年に株式会社クエストから発売されたシュミュレーションロールプレイングゲーム(シュミュレーションRPGSRPG)である。
(ブログでは以下このジャンルをSRPGで統一する)
スーパーファミコンで発売され、その後1996年にセガサターン、1997年にPlayStationで移植された。
現在(2020年)では、WiiWii U、Newニンテンドー2DS、Newニンテンドー3DSバーチャルコンソールでもプレイできる。
ご存知の通りSRPGというジャンルのゲームは1回の戦闘に結構時間がかかる。
戦略を練って、自軍のユニットを将棋の駒のようにポチポチと動かしていくのがSRPGの特徴で、自軍のユニットを殺されないように動かしたり、レベルアップや武器、防具で強化していくのがこのタイプのゲームの醍醐味だ。
自軍のユニットをチマチマ育てていくのが楽しい。
時間泥棒であるSRPGというジャンルは気軽にどこでもできる携帯機と相性がよい。
なので今プレイするならばNewニンテンドー2、3DSでのプレイがオススメだ。
Newニンテンドー2、3DSには「クイックセーブ機能」が搭載されているのでいつでもセーブ、ロードできる点も最高である。
さて今回はSRPGの礎を築いた、SRPGの父、と言っても過言では無い
そんな「タクティクスオウガTactics Ogre)」を初めてプレイしてみた。
感想。
むずいっ!(戦闘)
重いっ!(ストーリー)
だけど。。
ハマった!!
めっちゃはまったよ。。。。
「死者の宮殿」という裏ダンジョンもクリアして、全クリまでにかかった時間は70時間をこえた。
全クリまでにかかる時間が長いゲームが良いゲームと、単純に言うことはできないが
少なくとも自分は70時間くらい夢中になってしまった。
更に、プレイヤーの選択肢によって物語が3つに分岐するので遊び尽くそうと思えばまだまだ遊べる。
スーパーファミコンのゲームでここまで長い時間遊べるゲームって凄い!
なので今回は「タクティクスオウガTactics Ogre)」をベタ褒めしていく。

まずざっくり!
このゲームをお勧めできる人

  1. SRPGが好き
  2. 難易度の高い無骨なSRPGが好き
  3. ファイナルファンタジータクティクスFFT)が好き(メインスタッフが一緒)
  4. 民族紛争、戦争、がテーマ。重たい世界観が好き
  5. 勧善懲悪におさまらない重厚な物語が好き

 このゲームがおすすめできない人

  1. SRPGが嫌い
  2. 難しいSRPGは嫌い(攻略サイトが充実しているので頼れば難易度はガクッと落ちる)
  3. SRPGは好きだが、「サモンナイト」や「ディスガイア」など、キャラゲー寄りのゲームや笑いあり、涙ありの軽いノリのSRPGが好き
  4. 正義は勝つ!友情!努力!勝利!みたいな少年漫画的な王道ストーリーが好き
  5. マリオやカービィポケモンなどかわいい、癒されるゲームが好き
  6. 暗い話、重い話が苦手。
  7. 主要キャラクターが殺されたり、酷い目に遭うのは嫌だ!

こんなところです。

重厚なストーリーと中毒性の高いゲームシステムは多くのゲーマーを魅了し今もなお、
SRPGはこのゲームだけで良い」
という人さえいる程人気が高い。
確かに、SRPGとしてはシステム面において古臭く、粗が多い部分もあるが、それでも現在(2020年)838円(税込)でプレイできてしまうのでオススメです。
で、
ここから「タクティクスオウガTactics Ogre)」をベタ褒めしていく訳だが、
今回はこのゲームの「システム面」と「物語」に分けて話を進めたい。
「システム面」についてはネタバレがないので未プレイの方も歓迎ですが「物語」についてはがっつりネタバレを含みますので注意です!
このゲームが未プレイで気になっている人は
【システム】このゲームの悪いところ
と、
【システム】このゲームの良いところ
を参考にしていただければ幸いです。

話は

  1. 【システム】このゲームの悪いところ
  2. 【システム】このゲームの良いところ
  3. 【物語】2人のランスロットの会話からこのゲームの魅力に迫る

です。
このゲームは、その人気故、ファンも多く、いろいろなサイトで物語の考察や感想が深くされている。
それだけこのゲームの物語が魅力的で奥深いってことだ。
しかし、物語の考察を思うがままに書いていくとまた長文になってしまうので
俺は2人のランスロットの会話からこのゲームの魅力に迫りたい。
(すみません!なんだかんだ長文です!汗)

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(姉さん!!選択肢に罠はってくるの止めてよっ!!)

 【システム】このゲームの悪いところ

①やっぱり昔のゲーム、古臭い

このゲームは「元祖SRPG」的な位置付けで、荒削りではあるがシステムもしっかりしている。
「トレーニング」という、味方同士の戦闘をおこなえば気軽にレベルアップができるシステムもあるので、それが救済処置にもなっている。
しかし、やっぱり古臭い。
これはしょうがないことなんだけど、今日のSRPGと比べてしまうと古臭さに目がいく。
例えば、
行動してしまったらキャンセルできない。
自軍のユニットや敵ユニットの情報を見るのがいちいち面倒。
魔法のエフェクトが長く、ただでさえ1回の戦闘が長いSRPGがより長くなる。
SRPGはただでさえ1回の戦闘に時間がかかるので、操作性が悪いと更に余分な時間がかかってだれる。

②「弓」最強ゲー、このゲームの防具は罠

とにかく、弓が強い。笑
このゲームは剣や斧などの近距離攻撃を行うと敵から「反撃」を受けてしまう。
プレイヤーは基本、自軍のユニットが殺されないように立ち回るので「反撃」は痛い。
しかし、弓は間接攻撃なので「反撃」がない。
そればかりか、高いところから打つと射的距離が伸びるのでまじで弓優位。

また、SRPGにおいて「素早さ」は非常に大切で、プレイヤーはなるべく早く自軍のユニットを動かしたい。
どれだけ攻撃力が高いユニットであっても、そいつが鈍くて、いつまでも操作できないのであれば、そのユニットは使えないに等しい。
問題はこのゲームは装備に「重量」がある、ということ。
重たい武器や防具を装備しまくってしまうとそのユニットは一気に動けない(のろま)ユニットになってしまう。
防具は「重量」が重いばかりか、このゲームのシステム上あんまり防御力も上がらないのでこのゲームの防具は罠だ。
このゲームにはかっこいい剣や槍、かっこいい防具が数多く存在する。
しかし、それらを差し置いても、強いのは
弓!!笑。
弓ゲーなのだ!笑。
もちろん見た目や雰囲気重視で装備を選んでもクリアできる。
現に俺は主人公に剣を持たせていた。ジョブはテラーナイトです。

③連戦が多い

メインストーリーを進めていくにあたって、1つの戦闘が比較的難易度が高いこのゲームであるが、
メインストーリーを進めていくにあたって、3連戦は結構よくある。
ラストダンジョンに至っては最短ルートでも6連戦、最長ルートで18連戦と長い。
更に隠しダンジョンなんて100連戦だ!
なんつーゲームだ!
気軽に出来ねぇよ!泣
「1日ゲームは1時間まで!」
ってお母さんに言われていたら絶望的じゃねーかっ!
俺はクイックセーブ機能のあるNewニンテンドー2DSでプレイしたから、1戦ごとにクイックセーブをして隠しダンジョンを攻略したが、、、
スーパーファミコンで隠しダンジョン攻略した人まじやばい。笑。
冗談抜きで20時間くらいスーファミつけっぱにしないとクリアできないと思うんだけど。。。笑
まぁこのゲームのこういう無骨なところ、難易度が高いところは、短所ともとれるけど、ハマる人には長所ともなり得ますね!

④バランスブレイカーの存在

そんな難易度の高いゲームだが、一部のキャラクターや魔法の使い方によって難易度が大きく下がる。
要はバランスブレイカーの存在だ。
弓最強、序盤のゴースト、石化魔法、自動レベルアップなど、
ゲームバランスを大きく崩す要素があるので、高難易度を維持してプレイしたい人は注意が必要である。
逆に言うと攻略サイトなどで情報を得つつこれらバランスプレイカーを積極的に使っていけばSRPGが苦手な人でも全クリできるだろう。

まとめよう

このゲームの悪いところ

  1. ゲームシステムが古臭い(しょうがない)
  2. 弓最強で防具は罠
  3. 連戦が多く気軽にプレイできない
  4. 一部、ゲームバランスを壊しかねない呪文や育成方法がある

【システム】このゲームの良いところ

次に、システム面からこのゲームの良いところを考えてみたい。
俺が考えるこのゲームが他のSRPGより優れているところは、
難易度の塩加減が絶妙

隠し要素が多いこと
だ。

①強力な武器や呪文の存在

例えばボスを倒して強力な武器をゲットしたり、メインイベントで強力な魔法をゲットするのが通常のゲームだとしよう。
しかし、このゲームは違う。
ルートによって手にはいる強力な武器が違っていたり、
ただ敵を倒しても武器はゲットできず、敵を「勧誘」して仲間にすることで初めてゲットできる強力な武器や呪文も多い。
更に多くの強力な武器や呪文は隠しダンジョンで入手可能となる。

「ルートによってはゲットできないのかよ!」
「敵を倒すだけじゃダメなのかよ!勧誘ってなんだよ!」
「強い武器は隠しダンジョンだって!?」
「意地悪なゲームだなぁ。」
と思う。
「そうなんだ!意地悪なんだ。」
しかし!
その塩加減がゲーマー心に火を付ける!
「砂塵の弓」絶対ゲットしたいぜ!
「ワープリング」はなるべく多く確保したいぜ!

普通のゲームであれば普通にプレイしていれば入手することができる強力な武器や呪文が軽く隠し要素なので、それらレアアイテムを手に入れた時の嬉しさは人一倍だ。

②仲間になる固有のユニットが多い。

仲間になる固有のユニットは3つに分岐するシナリオごとで違うばかりか、隠し仲間ユニットもいる。
攻略サイトがなければ絶対仲間にする方法わかんねぇよ!」
ってユニットが何人かいるのだ。
彼らを仲間にした時はすごく嬉しい。
仲間になる固有ユニットが多いことに加え「隠し仲間ユニット」の存在が楽しい。

また「ジョブ」の種類も多く、ここにも「特定の条件下」で成ることのできる「隠しジョブ」があり熱い!

このゲームは今日の優しめなSRPGとは違って、難易度が高く、強力な武器や呪文も簡単には入手できない。
仲間になる固有ユニットもイベント戦にて彼らを助けなければ仲間にならない。
更にそのイベント戦では彼らを助けるのが結構難しい。
だってどんどん敵に突っ込んで自ら死んでくから!怒

だけど、、
そんな「塩加減」「隠し要素」がゲーマーの心に火をつけるのだ!
この絶妙な「不親切さ」「意地悪さ」「隠し要素」がこのゲームにハマってしまう要素の1つと考える。

まとめ

このゲームの良いところ

  1. 難易度が高いがその「塩加減」が絶妙
  2. 「隠し要素」が多くゲーマーの心をくすぐる

自分は面倒だったので無視したけど「隠された財宝」なんてのもある。
低レベルクリアを目指すなら使えるかもです。

【物語】2人のランスロットの会話からこのゲームの魅力に迫る

ここからは、物語の感想にいくぜ。
(以下ネタバレ有りです)

舞台はヴァレリア諸島という島。
そこには「ガルガスタン人」「バクラム人」「ウォルスタ人」の3つの民族がいる。
そして物語は3つの民族間における「民族紛争」
血み泥。ドロドロですよ。
ただでさえ小さな島なのに、仲良く、平和にしようとせず、
どいつもこいつも私利私欲のことしか頭にない。
「あいつの後ろについて安全にやり過ごそう」
「あいつを裏切ってこっち側に」
「復讐だ!絶対殺す」

はぁ。。。
ボク「仲良くしろや!」
ボク「後、酒飲んで酔っ払ってプレイしてるから、相関関係が分かんなくなんだよ!」泣

そんな世界観。
すっげぇ殺伐としていて窮屈で血みどろな世界観に加えて
プレイヤーはこのゲームを通して、人間の「エゴ」というものをさめざめと見せつけられるわけだ。
だが、、、
それが良い!!!
というプレイヤーも多い。
ディレクターを勤める「松野泰己」氏がつくる綿密で重厚な世界観の虜となったプレイヤーは多く
ファイナルファンタジータクティクス
ファイナルファンタジー12」
ベイグラントストーリー
も人気が高い。
音楽を担当する「崎元仁」のBGMもこれまた松野氏の描く世界観に合っていて良い。
個人的にフルートなどの吹奏楽器の入れ方が好きです。
まぁ。
俺としては、あんまり重たい、救いのない話は苦手で、
少年ジャンプ的な王道ストーリーを求める傾向にあります。
このゲームの中で、
しいてコメディーな場面を挙げるならば「魔女デネブ」と「風使いカノープス」との掛け合いくらいか。
しかし、たまにはこういう「重い」物語も良いね。

そんな民族紛争、真っ只中、主人公の「デニム」は翻弄されながらも奮闘していくストーリーなのだが、今回は俺がもっとも印象に残ったイベントに目を向けて話を掘り下げたい。
それは聖騎士「ランスロット・ハミルトン」(以下ハミルトン)

暗黒騎士「ランスロット・タルタロス」(以下タルタロス)の二人の会話だ。

ハミルトンは物語の序盤から主人公デニムを助け導く、デニムの兄貴的存在で、亡き妻を憂いながらも民を思う優しい英雄だ。
一方タルタロスは暗黒騎士団「ロスローリアン」の団長で最終的に、物語はデニムたちVS暗黒騎士団「ロスローリアン」という構図になる。

紛争下の混乱した状況である為、誰が悪い、誰が良い、と簡単に判断することはできない。
しかし、
暗黒騎士団「ロスローリアン」が主人公の町を焼き払うところところから物語が初まり、
ルートによっては「炎のセリア」を非業の死にさせ(トラウマシーン!)
「ハミルトン」を薬漬けにした(トラウマシーン!!)
暗黒騎士団「ロスローリアン」に良い感想を持つプレイヤーは少ないだろう。

そんな2人の会話を追ってみよう。
ハイム城地下に囚われている時、囚われのハミイルトンとラルタロスの会話
(以下ハミルトンを「ハ」タルタロスを「タ」)

ハ「力で人を縛りつける、そうしたローディス(タルタロスたち)のやり方に問題がある、そうは思わないのか?」
タ「縛り付けた覚えなどないな。彼らは力で支配されることを望んだのだ。」
ハ「望んだだと?」
タ「そうだ。世の中を見渡してみろ。どれだけの人間が自分だけの判断で物事を成し遂げるというのだ?自らの手を汚し、リスクを背負い、そして自分の足だけで歩いていく。そんな奴がどれだけこの世の中にいるというのだ?」
ハ「・・・・・」
タ「・・・貴公らの革命を思い出してみよ。貴公らが血を流し、命を懸けて守った民はどうだ?自分の身を安全な場所におきながら勝手なことばかり言っていたのではないのか?」
ハ「彼らは自分の生活を維持するだけで精一杯だったのだ。」
タ「いや、違う。被害者でいるほうが楽なのだ。弱者だから不平を言うのではない。不満をこぼしたいからこそ弱者の立場に身を置くのだ。彼らは望んで『弱者』になるのだよ。」
ハ「ばかな・・・。人には自分の人生を決定する権利がある。自由があるのだ!」
タ「わからぬか!本当の自由とは誰かに与えてもらうものではない。自分で勝ち取るものだ。しかし民は自分以外にそれを求める。自分では何もしないくせに権利だけは主張する。救世主の登場を今か、今かと待っているくせに、自分がその救世主になろうとはしない。それが民だっ!」
ハ「人はそこまで怠惰な動物じゃない。ただ、我々ほど強くないだけだ。」
タ「・・・聖騎士よ、貴公は純粋すぎる。民に自分の夢を求めてはならない。支配者は与えるだけでよい。」
ハ「何を与えるというのだ?」
タ「支配されるという特権をだっ!」
ハ「ばかなことを!」
タ「人は生まれながらにして深い業を背負った生き物だ。幸せという快楽の為に他人を平気で犠牲にする。より楽な生活を望み、そのためなら人を殺すことだっていとわない。しかし、そうした者でも罪悪感を感じることはできる。彼らは思う、これは自分のせいじゃない。世の中のせいだ、と。ならば、我々が乱れた世を正そうではないか。秩序ある世界にしてやろう。快楽をむさぼることしかできぬ愚民にはふさわしい役目を与えてやろう。すべては我々が管理するのだ!」
ハ「意にそぐわぬものを虐げることが管理なのか!」
タ「虐げているのではない。我々は病におかされたこの世界からその病因を取り除こうとしているにすぎん。他組織に影響を及ぼす前に悪質なガン細胞は排除されねばならぬのだ!」
ハ「身体に自浄作用が備わっているように心にもそれを正そうという働きはある!」
タ「それを待つというのか?ふふふ、貴公は人という動物を信用しすぎている。(以下略

うーん。。
実に人間という生き物の「業」というか「性(さが)」みたいなものの確信に迫った会話だと思う。
ちなみにこの後ハミルトンは拷問されて、薬漬けにされて、デニムたちに見つかった後は、廃人になってしまってるんだけど。。。
トラウマシーンだね。
あれだけかっこよかったハミルトンがただ海を見つめて、
「あうあう」
ですよ。
一緒にいたカチュアが「きゃー」とか言って小屋から飛び出してくんだけど、
「やめろや!!泣。」
「ぎゃー」はプレイヤーのセリフだっつーの!
この会話の応酬の末、ハミルトンは廃人化、タルタロスはED後生きて逃げ延びるってのがまたなんとも。。
ディレクターの松野氏から「天才の変態性」を感じます。

この2人の会話で俺が思い出したこと。
それはアニメ「攻殻機動隊S.A.G.2nd GIG」の難民のリーダー「クゼ・ヒデオ」である。
彼はその生涯を懸けて難民の為に尽くし、革命を起こした。
そんな彼が相手方(陸上自衛隊)の電波妨害によって統一性をなくした難民を見て、
力無く、つぶやいた言葉。
「水は低きに流れる」
だ。
クゼは最初、
ハミルトンの様に人間に対して「人の強さ」を見た、もしくは見ようとした。
そんなクゼが最後、とりみだしまくる難民を見てつぶやいたこの感想は
タルタロスの様に人間に対して「人の弱さ」をさめざめと見たのだろう。

タルタロスは「そんな弱い人間」を動物として管理してやろう!
というSっぷりを主張したが、クゼは疲れ切った感じか。。。

その点、ハミルトンは最期まで優しい生き方を貫き通す。(優しいという言葉では足りない)
クゼの様に落胆もせず、ただただ、タルタロスに対して
「人はそんなに強くない」
と、
最期まで(自我が崩壊するまで)人間という生き物を賛歌するのである。
こんな血み泥な状況で、人間に希望を見続けるハミルトンに対してタルタロスは、
「あなたは純粋すぎる。民に自分の夢を求めてはいけない」
と一瞥。

俺は2人の会話がこのゲームの名シーンだと思う。
民族紛争という舞台の中で、
「人間のエゴ」や「人間の私利私欲」「人間の弱さ」を見せつけられまくったプレイヤーにとっては
むしろタルタロスの主張の方が納得がいってしまう。

しかし最期の最期まで人間を讃え、人間に希望を見続けたハミルトンの姿勢は
この血と悲鳴に塗れたヴァレリア諸島に一瞬さした光のような。
この重たいゲームに一瞬煌めく光の様な「希望」だと感じた。
この松野氏の
「人間」に対する「希望」と「絶望」に対する焦点の当て方というか、、
描き方、捉え方が面白かったな。

最高です!!

以上になります!
今回は
ゲーム 感想「タクティクスオウガTactics Ogre)」をベタ褒めする
でした。
「物語」「ゲームシステム」「音楽」「やり込み要素」どれも非常に高水準で、夢中でプレイしてしまいました。
今回「物語」では、聖騎士「ランスロット・ハミルトン」と暗黒騎士「ランスロット・タルタロス」の2人の会話に焦点を当ててこのゲームの魅力に迫ってみましが、このゲームにはまだまだ考えさせられるイベントが非常に多いです。
それだけ、丁寧に、綿密につくられているんだな、
とつくづく思います。

最後に。
1人のプレイヤーとして、ハミルトンとタルタロスの会話をかえりみた時、
どちらの意見に賛成する!
みたいなことは俺は出来ない。
しかし1つだけ、確信をもって言えることがある。
それはもし、聖騎士「ランスロット・ハミルトン」が
2020年11月21日に行われたRIZIN25フェザー級タイトルマッチにて
勝利を収めた「斎藤裕」選手だったら、
タルタロスに何と返答したか?

タ「聖騎士よ、貴公は純粋すぎる。民に自分の夢を求めてはならない。」
ハ「それを言っちゃぁおしめぇよ!!」

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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