BETABOME(ベタ褒め)FACTORY

自分を褒めて。同時に他人も褒めて。色々感じたことや考えたことを書きます。

雑記「絵画(アート)とグラフィックデザインの違いについて考える」

Hi。
皆様は「絵」という言葉を聞くと、どのようなイメージを持つだろうか?

1モデルを中心に用意して、その人物を取り囲み、熱心にデッザンする絵
2油絵の具を使ってキャンバスに様々な色を厚塗りしていく絵
3アニメや漫画の絵
4本の表紙を飾る、人を魅了する絵
5Pixivに投稿される、デジタルで描かれた可愛らしいキャラクターや幻想的で美しい風景の絵?
6地域のポスターやファッション雑誌、なにかのパンフレットに小さく添えられた絵
7企業のロゴマーク
8非常口マークやトイレのマーク

まぁ、結局どれも「絵」に変わりはないんだけど、
絵画(アート)
イラスト
漫画・アニメ
グラフィックデザイン
と4つに分けてみる(勝手に分類)
1のデッサンはそれが練習(習作)でない場合、作品となるので絵画(アート)。
2の油絵もアート(アート)。
3はそのまま漫画・アニメ。
4の本の表紙はイラスト。ものによっては限りなく絵画(アート)寄りなイラストやグラフィックデザイン寄りなイラストもある。
5のPixivに投稿される「絵」はイラスト。物によっては漫画・アニメ。
6、7、8はグラフィックデザインと分けてみる。
もちろん、今日、「絵」の境界線は非常に曖昧になっているので限りなく絵画(アート)に近いグラフィックデザインも存在するし、限りなく漫画・アニメに近い絵画(アート)も存在する。
例えばファイナルファンタジーのイラストを描く天野喜孝氏はイラストレーターでもありアーティストでもある。
まぁしかし、あえて4つに分けた時、俺はというと。
絵画(アート)の人です。
キャンバスにアクリル絵具で絵を描いています。
で、今回は絵画(アート)とグラフィックデザインについて考えたい。
というのも
俺は昔、ほんの少しグラフィックデザインに興味を持って学び、
そして、そっこう
挫折した!
なので当時の事について振り返りながら、絵画(アート)とグラフィックデザインの違いについて考え、更に絵画(アート)の魅力に迫りたい。
話は

1隣の芝は青く見える
2「絶望」を語れない!それが「絶望」
3絵画(アート)とグラフィックデザインの違い

の3本です。
なるべく公平に両者の違いを書くよう努めます。

自分は絵画(アート)畑の人間なので、絵画(アート)贔屓な発言が多くなってしまうかもしれません。ご容赦ください。
また、人によっては絵画(アート)とグラフィックデザインの距離が近く、デザイン的な絵画(アート)を描く方もいます。
(その逆も然り)
なので1個人の解釈と思っていただけたら幸いです。

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 隣の芝生は青く見える

俺はこれまで絵画(アート)に関わってきたわけだが、ある日、突如、グラフィックデザインに興味が湧いた。
なんでだろう?
なんかグラフィックデザイナーって言葉に花があって、かっこいいし、自分の描いた絵が企業で活かされて、顧客を喜ばせるなんて凄いぜ!
かっこいいぜ!
って思ったからだ。
具体的に話そう。
例えばロゴマークロゴマークってのは企業のイメージを絵で表現したものです。
仮に有名デザイナーとなった俺がある企業にロゴマークを作るとしよう。
(例え話の妄想劇です)
俺はその企業のイメージを考え最高のロゴマークを作り上げる。
そして、企業は俺がつくったロゴマークに関心を寄せて、企業は俺に感謝する。
企業は俺の描いたロゴマークを会社の顔として使い、その企業は多くの顧客を集めてどんどん大きくなる。
もちろんその企業を利用する顧客は俺の描いたロゴマークを頻繁にみることになる。
すごい!
最高だ!!

企業からも喜ばれるし、多くの顧客(大衆)に俺の描いた絵が見られることになる。
凄いぜ!!
グラフィックデザイナー。
花がある!

花しかない!!
かっこいい
俺はそう思った。
それに比べて絵画(アート)とか。笑
何十時間も部屋に籠って、キャンバスとにらめっこ。

ないっ!!!
俺は自分が描いた絵を色々な人に
「凄いね(羨望の眼差し)」
「あなたの作品は心に染みるわ(感動の眼差し)」
「かっこいいです!尊敬します(憧れの眼差し)」
「ポッ(恋心。ドラクエ的表現)」
って言われたかった。
俺は花がほしかった。
モテたかった!
ちやほやされたかったのだ!!
暴かれた真実
それが真実!!!
そう思うや否や俺は、今まで積み重ねてきた絵画(アート)さんをふった。
そしてグラフィックデザインさんと結婚を前提にお付き合いすると決めるのであった。

グラフィックデザインと真剣に向き合うために、俺はまずグラフィックデザインの本を何冊も読んで徹底的に勉強した。
そしてある程度デザインの知識を頭に入れると、早速、ロゴマーク作りに挑戦した。
ふむふむ。
IT関係の企業や教育関係はクールで知的な印象を与える「青」でロゴマークを作るのか。
なるほど
「緑」はエコに関係する企業。
「赤」は情熱的。「赤」は飲食店などの「食」に関係する場合にもよく使用する。
ふむふむ。
俺はロゴマークの勉強をしながらなんども試行錯誤し作品をつくった。
そして作った作品を応募したり、クラウドソーシングを利用して企業に見せた。
結果は惨敗。
まぁ時々、自分のつくったものに興味を持って下さった企業はいました。
けど、惨敗よ。
そして俺はそっこう挫折してすぐに絵画(アート)に戻った。
なぜもっと続けなかった?
もっと頑張れば結果が出たかもしれないよ!
諦めが早すぎる!
そう。俺はそれほどすぐに諦めた。

「絶望」を語れない!それが「絶望」

なぜすぐに諦めてしまったか?

結論を先に言うと、
俺が「表現」したいモノはグラフィックデザインではできなかった。
自分にはなにか「表現」したいものがあって、自分が表現したいものを形にするために絵画(アート)をやってきたことを再認識したのだ。
まぁ簡単に言ってしまうと、どうやら俺は
絵画(アート)が好きだった。
みたいだ。

「隣の芝生は青い」
という言葉があるが
まさにそれだ。
その時はグラフィックデザインの世界が輝いて見えた。

グラフィックデザイン
ロゴマーク作りを通して、俺はその企業のことを考えた。企業のイメージやその企業の理念を考えて、そこからロゴマークを作りまくった。
更にその企業を利用する顧客のことも考えた。
そりゃもう考えたさ!
いろいろな人が喜ぶような、色々な人が笑顔になるような「希望」のロゴマークを!
企業も満足し、顧客も満足し自分も満足する作品。
この企業はIT関係の企業だから「青」を使おう。この企業はイメージカラーを「黒」と指定しているからそれに合わせて作らなければ。
「青」を使って、企業が満足して喜ぶロゴマーク
うーん
作り続けることでなんとなく感じはじめる違和感。

・・・・あれ?
おかしいぞ。
うーん。
おかしいぞ。
なにが?
「青」という色を用いて「絶望」を描くことができないじゃないか!
氷のように鋭利でおもわずゾッとするような「青」を表現できない!
このまま気泡となって海に溶けてしまうような、物凄く壊れやすい「青」を表現できない!
この世界にはない、どこか異世界に行ってしまったような、夢の中で見たあの「青」を表現できない!
ん?
それは「赤」でも「緑」でも同じことが言える!
まぁ少なくともどんな色を使っても「絶望」を描くことができない!!
ふとした時に俺は、そう思った。
いや、俺はどんだけ「絶望」が描きたいんだよっ!
って話だが。笑
言いたいことはそういうことではない!
少なくともグラフィックデザインの世界では「青」という色を使って「絶望」は表現できない。
(まぁ青が関係するホラー映画のポスターや、ホラーの小説の表紙なら作ることができるかな)
そればかりか「青」という色を使って「言葉で言い表せない感情」を描きこともできなければ「なんだかよくわからない世界」や「気持ち悪い世界」を表現することもできない。
参った。
企業や顧客が喜ぶようなグラフィックを考えてきた。
大衆受けし易く、分かり易く、多くの人が喜び、笑顔になるようなグラフィックを仮に「希望」と表現するならば
俺は
「希望酔い」
してしまったのだ。

「絶望」が描けない状況。それが「絶望」だった。

絵画(アート)とグラフィックデザインの違い

そんなわけで、俺は絵画(アート)に戻って、なんだかんだ楽しく制作している。
今回グラフィックデザインをほんの少しかじった。
それによってグラフィックデザインと絵画(アート)それぞれの、良さと大変なところが浮き彫りになった。
まとめます。
グラフィックデザイン 良いところ
自分の描いた絵が企業や顧客を含めて社会の役に立つ。
自分が描いた絵が企業や顧客に認めら易い。
自分の描いた絵が世の中に受け入れられ易い。
自分が描いた絵を通して色々な人と関わることができ易い。
グラフィックデザイン 大変なところ
企業や顧客の意向に沿った絵を描かなければならない。
自分が思いのままに絵を描くことができない。
分かりにくいものや曖昧なイメージを表現することができない。
「絶望」を描くことがなかなかできない。笑

絵画(アート) 良いところ
自分が表現したい世界を思うがままに自由に表現できる。
絵画(アート) 大変なところ
自分の描いた絵が企業や顧客を含めて社会の役に立ちにくい。
自分の描いた絵が世の中に受け入れられにくい。
自分が描いた絵を通して色々な人と関わることができにくい。
孤独。笑

グラフィックデザインは企業と顧客を繋げる為の「絵」
「絵」がコミュニケーションの1つの方法。
「絵」が人と人が関わる為の道具と言っていいかもしれない。
なので、当然分かりやすくインパクトのあるものや、コンセプトが伝わり易い「絵」が求められる。
大衆のニーズや流行にあった絵が求められる。
しかし「求められる」からには思うがままに自由に描くことはできない。
それに比べて絵画(アート)は表現の世界。
自分が表現したい世界をつくる為の道具が「絵」。
自己表現が前提で、方法として絵具を選べば画家になるし、ピアノを選べばピアニスト、踊りを選んだらダンサーになる。
絶対条件は「表現したい」ってこと。
絵画(アート)はグラフィックデザインのように企業や顧客のことを考えないので、なにを表現しても良く、どこまでも自由だ。
しかしがそれは同時に他人からの理解、共感を得ることが最優先ではなく、自分の表現したいものを形にすることが最優先となる。
だから多くの人に理解されることが難しく「孤独」なのかもしれない。

以上。
絵画(アート)とグラフィックデザインの違いを自分なりに考えまとめて見ました。
個人的な感想になるが、一回グラフィックデザインをほんの少しかじることで、絵画(アート)の魅力を再認識することができた。と思う。
絵画(アート)の魅力はずばり自由。
だが同時に「自由」は絵画(アート)の「辛さ」でもある。
自分が思うがままに何を表現しても良い。
だけど逆に
「自由っていわれても、じゃあ、何を描いたら良いの?逆に困るわ!」
「課題やテーマを指示してくれた方が描き易い」
ってなった場合はグラフィックデザイン向きな気がする。
一方で、
自分が表現したい世界があって、なんがなんでも自分の「表現欲」に忠実に従って絵を描く場合は絵画(アート)向きなのかな。
と思いました。
で、
俺の場合は後者。
もちろん、なんか表現したい世界があるっていうのはそうなんだけど。
惚れてるのさ。
絵画(アート)の圧倒的な自由さに!

な!!笑
絵画(アート)はグラフィックデザインのような分かり易く伝わり易いものが少ない。
「希望」に満ちたものではなく「絶望」に満ちた作品もある。
だが、それが良い!
人間は1人1人違う。
だからへなちょこりんなものがあっても、
物凄く気持ち悪いものがあっても、
絶望しか感じられないような最悪な読後感を味わうようなものがあっても、
胸がぎゅっと締め付けられるような繊細なものがあっても、
どうしても言葉にできないけど、涙が溢れてたまらなくなるものがあっても、
分かりにくいモノ(アート)がいろいろあってもいいんじゃないかな。
と思う。
1人1人の人間の中に在るモノって、そんな単純じゃない。
なんか。
みんなにもあるじゃん?
他の人とは違った自分だけの「変」が。笑
それを俺はこう呼ぶ!
「個性」
みんなはしたことない?「希望酔い」
みんなは持ってない?自分だけの「変」
みんなにもあるだろ?自分だけの「個性」

ありがとうございました。
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