BETABOME(ベタ褒め)FACTORY

自分を褒めて。同時に他人も褒めて。色々感じたことや考えたことを書きます。

アート「カラーフィールドペインティング」を紹介する

Hi!
以前このブログで紹介した「ジャクソンポロック 」の「アクションペインティング」
この「アクションペインティング」は美術史の視点から見ると、第二次世界大戦後のアメリカの
「抽象表現主義」にあたる。
(1940~1960年代)
そして当時、「アクションペインティング」と双璧をなしたもの。
それが
「カラーフィールドペインティング」だ。
「カラーフィールドペインティング」の概要をざっくり説明することは簡単なので、
もったいぶらず先に簡潔に「カラーフィールドペインティング」の説明をします。
「カラー」→「色」
「フィールド」→「場所」
「ペインティング」→「絵」
まずめちゃくちゃでかいキャンバスや壁を用意する。
どのくらいの大きさか?
「カラーフィールドペインティング」を代表する作家「バーネット・ニューマン」の作品
《アンナの光》が
「274.3×609.6㎝」
なので、
だいたい畳5枚がすっぽりおさまるデカさ。
で、、、でけぇ!!
で、そのでかいキャンバスを「場所」として一面に「色」を塗る。
以上。
これが、「カラーフィールドペインティング」だ。
。。。
「は?それの何が凄いの?大工さんのペンキ塗りの仕事かよ?」
と思われるかもしれない。
「カラーフィールドペインティング」の概要をさらっと説明すると非常にあっけない。
「大きな壁やキャンバス一面に色を塗る」
これで終わってしまう。
しかしだ!
実はこの「カラーフィールドペインティング」には一言では片付けることのできない
底知れない凄み(魅力)があるんだよ。
だから今回は「カラーフィールドペインティング」の凄みを自分なりに言葉にし、できたら皆様と「カラーフィールドペインティング」の凄さ、やばさをシェアしたい。
話は

  1. 「色」に溺れ「色」に包まれる。それは神秘的な体験
  2. 人物画でも風景画でもない。あるのは、精神と霊性の世界

です。

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 色」に溺れ「色」に包まれる。それは神秘的な体験

「カラーフィールドペインティング」の分かりやすい特徴は、やはりそのデカさ。

人間の大きさをゆうに超える、滅茶苦茶でかいキャンバスに一面に色が塗ってある状態。
これは実際目の当たりにすると
結構、衝撃を受ける。
で、でけぇ。色、、すげぇ、、おおー
それは絵を見るって感じじゃない。
「わー綺麗で細かい絵ねっ!」
とか
「リアルな人物画だ!凄い!」
とかじゃない。
絵(色)を体に浴びる感じ。
圧倒的「色」を全身に受ける感じ。
それはまるで
「色」に包み込まれる感じだ。
例えるならば
ライブ会場で聞く生の音楽
ボックス型のライブ会場で音楽を聞くと、俺たちは
演奏家の生の音を身体中に浴びる
それはイヤホンを通して音楽を聞くのとはまるで違う。
ドラムの音が体に与える音圧。
ボーカリストの熱量。
そしてみんなで一体になる感覚。
俺たちは一体となって音楽に包み込まれたかのような感覚を覚えるのだ。
「カラーフィールドペインティング」もこれと同じように、言葉で説明するとあっさり終わってしまうんだけど、実際目の当たりにすると、その凄さを実感する。
そして俺たちは言葉を失うんだよ。

更にもう1つ「カラーフィールドペインティング」を目の当たりにした時に感じる凄みを伝えたい。
それは
「神聖」で「霊的」な何か
これも例え話を交えながら説明したい。
突拍子もないが、皆様は「夜の神社」に入ったことはありますか?
俺は昔、学生でわんぱく(笑)だった頃、遊び半分で友人と
夜の神社
に入ったんだ
当時の記憶を思い返すと、入り口は開いていたから、
立ち入り禁止
ってことはなかったと思う。
しかし閉まる間近の時間帯に忍び込むようにして入ったのは事実だ。
その時は浮かれていたし、ある種のスリルを楽しみたかったのかも知れない。
で、友人と鳥居をくぐった時
「ぞっとした」
明らかに空気が変わるのを感じたのだ。
お化けや幽霊を信じない俺でも、
「空気が変わり霊的な何か」を感じた。
それは俺だけでなく、友人も同じように感じたらしい。
この話にオチはなく、俺たちは特に危険な目に合うこともないんだけど、
重要なのは
霊的な何かを感じる
ってやつだ。

少し長くなってしまうんだけど、ミニ物語をつくったので、主人公になったつもりで想像力を働かせて読んでみてください!

(はじまり)
あなたはある夏の日に、緑に囲まれた山の中を歩いている。
携帯はない。
すると目の前に鳥居を発見する。
荘厳でひっそりとたたずむ神社を発見するんだ。
あなたは、その神社に誘われるようにして鳥居をくぐる。
音は無く、虫の声も聞こえない。
そして夏なのに、風は冷たいく、神社は異様に涼しい。
手水舎で手水を使うとひんやりとした水が気持ち良く、
口をすすぐと、あなたの心はさらに落ち着く。
あなたはいくつかの階段をのぼると拝殿にたどり着く、
けっして大きくはないその拝殿。
しかし、あなたは不思議な力強さと荘厳な気配を感じる。
拝殿の中は薄暗くぼんやりとしている。
そしてあなたは、なぜかある奇妙な誘惑を覚える。
拝殿の中にこっそり入ってみたい。
そんな感情。
理由はわからない。
当たりを見渡しても人気はない。
木々のざわめきすら遠い。
あなたはそっと拝殿の扉に手を伸ばす。
「あいている!鍵はかかってない!」
あなたは大きな罪悪感を感じつつも、とうとう拝殿の扉を開けると、その中に入り込んだ。
薄暗く、ぼんやりとしたその中は恐ろしいほど冷たくて、やけに空気が重たい。
目が少し慣れるにしたがって、あなたは奥になにか「青い光」をみる。
あなたはその「青い光」にゆっくりと歩み寄る。
するとあなたは言葉ではとても言い表すことのできない、得体の知れない感覚に襲われる。
それは「怖い」という感情をより大きくした感覚。
「畏怖」するという言葉を実体験するような。
まるで神様に触れてしまったかのような。
しかし同時に懐かしく、このまま眠ってしまいそうな程の安心感。
気がつくとあなたの目から涙がこぼれ、頬を濡らす。
信じがたいほどの涼しさの中で、あなたの頬を伝う涙だけが、熱い。
圧倒的な静寂の中であなたの心臓の音だけが鳴る。
ほんの数分なのか?それとも数時間なのか?
「青い光」に魅せられたあなたは、その後、夢遊病者のように、夢うつつ。
ゆらゆらと境内を後にした。
その後、あなたの日常は特に変化もなく穏やかな日々が続いた。
しかしあなたは生涯を通してあの時みた「青い光」を忘れることはない。
(おわり)

なんか調子にのってミニ物語(笑)までつくってまで俺が伝えたいこと。
それは「カラーフィールドペインティング」の作品はミニ物語の「不思議な神社」のような
「霊的」で「神聖」で人知を超えたパワーを放ってるってことだ。
境内で感じるような
「底知れないパワー」
「霊的なパワー」
「人知を超えた不思議で神秘的なパワー」
それがこの「カラーフィールドペインティング」から感じられる凄さである。

結論
「カラーフィールドペインティング」は見る人を「色」で包み込む
「カラーフィールドペインティング」のキーワードは「神聖」「霊的」「人知を超えた先」

人物画でも風景画でもない。あるのは、精神と霊性の世界

「カラーフィールドペインティング」を代表する作家に「バーネット・ニューマン」や「マーク・ロスコ」がいる。
彼らの目的は見る人たちに「霊的で神秘的な体験」を与えようとした。
彼らは
崇高で人知を超えた作品をつくろうとした
のだ。

俺はさ。
彼らのこの「底知れない精神性」と「スケールのでかさ」が大好きなんだよ。
だって彼らは制作を通して、人知を越えようとしてるわけだよ。
俺はオカルトやスピリチュアルなことが特別、好きってわけではない。
ただ、彼らの
人知を越えようとする姿勢
最高に崇高なモノ(絵)を生み出そうとする姿勢
が好きなんだ。

絵には美しい女性も描かれてなければ、幻想的な風景が描かれているわけでもない。
しかしだ!
だから良いんだよ!
何がそんなに良いのか?
これはもう完全に個人的な感想になってしまうし、むしろ絵が好きな人から反感を買ってしまうような発言につながってしまうんだけど。。
「美しい女性の絵」なら生身の女の子が可愛いやん。
「美しい風景画」なら世界中、いろんな所を旅して絶景を見たら良いやん。
。。。
俺は、残念ながらこんな性格の奴なのだ。
だけど!
「カラーフィールドペインティング」の精神。
こいつには痺れる。

「カラーフィールドペインティング」は今までの伝統的な描き方、
つまり「一点透視図法」などの「遠近法」や「陰影」を否定している。

「一点透視図法」を使って奥行きのある絵を描く。
影をつけて立体的な絵を描く。
それらを否定している。
今まで私たちは「遠近法」や「陰影」によって
「絵画という窓」を通して別の世界を覗き見ていんだ。
それは暗黙の了解だった。
例えば私たちは風景が描かれた絵を美術館で見る。
これは美術館という場所で「絵という窓」を通して「風景」を覗き見ること。
そう。
錯覚(イリュージョン)だ。
「遠近法」や「陰影」私たちを錯覚させるための技である。
「カラーフィールドペインティング」はそれを否定した。
「絵」ってモノが持ってるポテンシャルはそれ(錯覚)だけじゃない!

とな!
「カラーフィールドペインティング」の考え方ってやっぱりスケールがでかい。
って俺は思う。
そしてそんな「絵に対する考え方」や「絵に対する寛容性」が「カラーフィールドペインティング」の魅力の1つだと思う。

以上になります。
今回は「カラーフィールドペインティング」の魅力に迫ってみました。
「カラーフィールドペインティング」の魅力を伝えようとすると、どうしても
「考えるな!感じるんだ!」
みたいになってしまい、なかなか文章にするのは難しい
というのが正直な感想です。
自分は「カラーフィールドペインティング」の凄さを
「生の音楽」と「神社の神秘」
に例えてみましたが、もちろん感じ方も人それぞれだと思います。

また、「美人画」や「風景画」が劣っていて「カラーフィールドペインティング」の方が優れている、と主張したいわけでもありません。
しかし自分の性格上
つまり
何十時間とかけて「美しい女性の絵」を描くなら絶対女の子と遊んでたほうが楽しい!
って言うこの性格上
絵を描いているくせに
「あれ?俺ってあんまり絵を描くの好きじゃないんじゃない?」
って思って凹むことが何度もありました。
そんな時、この「カラーフィールドペインティング」の考え方がとても魅力的で感動したのです。
スケールのデカさ。
人知を越えようとするカッコ良さ。
そして作品から感じ取ることのできる、清々しさ。重たさ。深さ。神秘。潔さ。
最高です!

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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