BETABOME(ベタ褒め)FACTORY

自分を褒めて。同時に他人も褒めて。色々感じたことや考えたことを書きます。

ゲーム「聖剣伝説3」をベタ褒めする

聖剣伝説3」は、現在のスクウェア・エニックス(旧スクウェア)から1995年に発売されたアクションRPGである。
今プレイするなら、ニンテンドースイッチで発売されている「聖剣伝説コレクション」で遊ぶことができる。わざわざスーパーファミコンを用意しなくてもよいので、とっつきやすいレトロゲームと言える。子どものころ親に買ってもらい、夢中になってプレイし、最近ニンテンドースイッチでまたプレイしたので、当時の感傷に浸りつつ

1グラフィックが凄い
2ストーリーが凄い
3クラスチェンジシステムが凄い

の、3点から「聖剣伝説3」ベタ褒めしていく。
(2020年に「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」としてリメイクされるようですね)

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グラフィックが凄い!

まず「聖剣伝説3」(以下聖剣3)を語る際、着目したいのはグラフィックの美しさである。
このゲームはスーパーファミコン後期のゲームで、この頃のゲームのグラフィックはまるで絵画のように美しかった。
特に当時のスクウェアのグラフィックは本当に凄かった!
確かに思い出補正もあるかもだけど、スイッチで今やっても綺麗だなぁ、と思う。
グラフィックはドット絵。これはつまり点の集まりで描かれた点描画だ。
で、聖剣3のグラフィックの凄さを伝えるために少しだけ点描画について語る。
(なるべく簡単にわかりやすく説明します)

点描画と言えば、芸術では後期印象派を思い浮かべる。
後期印象派は、ジョルジュ・スーラが確立した様式だ。
「後期」印象派と言われるように、印象派の後に確立し、
直感的、感覚的に「光」を描こうとした印象派
に対して、
理屈で「光」を描こうと試みたグループ
だと、俺は認識している。
そして「光」を理屈で描くにあたってスーラが用いたのが点描画だ。
以下スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」は中学校の教科書にも載っている有名な作品だが、この作品は点の集まりで描かれている。

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 ジョルジュ・スーラ「グランド・ジャット島の日曜日の午後
引用元 https://ja.wikipedia.org/wiki/新印象派#「新印象主義」誕生

これは実際見てみると、細かくて、「細かくて綺麗ですごいなー」という、
なんだろう。
ラーメン食った時。「やっぱラーメンって美味いよなぁ」
みたいな、超安直な感想が溢れる。是非機会があったら見て欲しい。
で、新印象派の中でもう一人有名な、ポール・シニャック。彼の「マルセイユの港」も載せておく。

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ポール・シニャックマルセイユ港」
引用元 https://ja.wikipedia.org/wiki/新印象派#「新印象主義」誕生

シニャックの作品を見てもやっぱり美しいんだわ。実物はもっといいです。
彼らはどう配色して、色を置いたら「光」を表現できるか?を理屈で探求していくんだけど、見事感動させられる。
またラーメンの例えになっちゃうんだけど、
点描画とは、めちゃくちゃ研究され、めちゃくちゃいろんな食材が出汁になって、めちゃくちゃ時間をかけて煮込まれた豚骨ラーメンのようだ。
美味いに決まってるんだよそんなの!
点描画も同じことが言える。めちゃくちゃ研究され、1点1点、魂を込めて描かれ、めちゃくちゃ時間をかけてつくられたラーメンなんだよ。
(ラーメンではない)

点描画ってのは1点1点、点を敷き詰めていくもんだから、とんこつラーメンをつくる時みたいに、
1作つくるのに、ものすごく時間がかかるんだ。

点描画の説明、および凄さは以上で終わる。話を聖剣3に戻そう。
今までの説明で聖剣3、それから当時のドット絵の凄さがなんとなくわからないか?
聖剣3のドット絵も点の集合体だ。
すごく綺麗なんだよ。
俺は当時、小学生だったころ、誕生日プレゼントに聖剣3を買ってもらったんだ。
その時は、雨がざあざあ降っていて、俺は子どもながらにドキドキしながらケヴィンを主人公にしてプレイした。
なぜ、ケヴィンかって?
ケヴィンって主人公選択画面で中央にいるじゃん?王道はケヴィンだと思ったんだよ。
(実際はデュラン)
でさ。
子どもながらに聖剣3の森のグラフィックに感動した。
ケヴィンは「月夜の森」って言う、日の当たらない森が最初の舞台なんだけど、そこの森のグラフィックがまじで美しいんだ。
夜で暗いんだけど、葉の色は鮮やかで幻想的なんだ。
ちょうどプレイしている時、雨が降ってたもんだから、雨の相乗効果もあって、その幻想的な世界にうっとりさせられてしまった。
聖剣3には他にも「ラビの森」や「ランプ花の森」などの森のステージがあるがどれも幻想的で綺麗だ。
また森に限らず、「滝の洞窟」は暗がりの表現が素晴らしいだけでなく、雫が光る表現など、細かいところも綺麗だし、
「零下の雪原」は白が綺麗。
「マナの聖域」もラストダンジョンだけあって物凄く、力が入っていると思う。
聖剣3のグラフィック(ドット絵)は後期印象派に負けず、芸術と言っていいほど、美しい!
少し話が脱線してしまうんだけど、この頃のゲームはアートと距離が近かったのかもしれない。
例えば「FINAL FANTASY」シリーズのキャラクターデザインは画家の天野喜孝さんだし、聖剣2、聖剣3の美術は画家の磯野宏夫さんだ。
磯野さんのイラストは聖剣2ではパッケージのでっかい木、聖剣3ではフィールドマップを描いている。
この人の絵も神秘的で迫力があって「これぞ聖剣」て感じだ。
もちろん今日のゲーム、及びゲームグラフィックは凄い。しかしあの頃のゲームもまた凄かったのだ。

現在(2019年5月25日から7月7日まで)静岡市のフェルケール博物館で磯野宏夫さんの展示会をやっているので行ったら感想を報告したいと思います。

ストーリーが凄い

ストーリーに関しては個人的にも色々「おしいなぁ」と思うところもあるんだけど、序盤の展開は文句なしに面白いと思います。
序盤ってのは「火山島ブッカ」脱出まで。
特に作戦を立ててローランド城を救った後、幽霊船に乗せられて、火山島に流れ着くまでは、怒涛の展開だし
熱い!
惜しむべきは、それ以降終盤までは、精霊集めと神獣戦の連戦で、物語がプツンと切れてしまったところ。
終盤また盛り返すが、それまでは少し味気ない。また6人の主人公の中から3人を選ぶというシステム上、仲間との個別の会話が少なく、少し寂しい。
例えば、ホークアイとリース。彼らを一緒のパーティにしなければ、個別でイベントがあるのに一緒のパーティにしても特別なセリフがない。
寂しい!
それでも盛り上がるところはきちんと盛り上がるし、エンディングのフラミーが空を飛んでいき、空、星、宇宙、そして最後の植物のグラフィックを見た時は感動します。

またキャラクターもそれぞれ立っていて、個性豊か。
(だからこそもっと個別イベントが欲しくなる)。
今でもリースは人気キャラクターで知られていますね。
俺も昔は、ホークアイ、リースをパーティにいれてプレイしていたんだけど、スイッチでプレイし直して楽しかったのは、王道のデュラン、アンジェラ、シャルロット。
シャルロットってギャグキャラかと思いきや、彼女を待ち構える運命は重い。
(つーか主人公のシナリオ皆重い)
それでも元気さを忘れないシャルロットが好きで、彼女の「ディオール」にて真実を知った時のイベントは結構泣けます。
また、デュランは亡き父と過去で出会うんだけど父親ロキの行く道が死の道なのにもかかわらず、止めることができないデュランに涙涙。
結構切ないシーンが多いです。このゲーム。
敵キャラも魅力的で、紅蓮の魔術師、仮面の導師、美獣、黒の貴公子は細かな設定が練られていて、考察しがいがありました。彼らが抱える背景も一概に「悪人」とはいうことのできないのが魅力的でした。
もっとストーリーが見たかった!
もっと細かい場面が見たかった!
もっと個別の会話シーンが見たかった!
と欲を言えばたくさん出てくるけど、そう思えるってことは大筋の物語、キャラクターが凄く魅力的だったってことだ。

クラスチェンジシステムが凄い

最後にシステム面からこのゲームの良さを語りたい。
このゲームはクラスチェンジといって、レベルが上がると光と闇のどちらかにビジュアルが変わる。
クラスチェンジは2回あって1回目で光か闇。2回目、つまり最終的に光光、光闇、闇光、闇闇の全部で4パターンのビジュアルに変わる。
必殺技、覚える特技や魔法、更にはメインビジュアルまで変わるので、選ぶのが凄く悩ましくてそれが面白い!
もちろん、1度選んでしまったらやり直しはきかないので、子どもながらに慎重にドキドキして選んだ。
王道は光光なんだと思うし、公式イラストも光光の方が主人公っぽい。
しかし、、、
闇闇のかっこよさよ!
デュランの闇闇、デュエリストのかっこよさよ!
防御を捨てて攻撃に振り切るかっこよさよ!

個人的にデュエリストの必殺技、「大地噴出剣」はゲーム史上最もかっこいい技名だと思う!
ライバルは「乱れ雪月花

このクラスチェンジシステムのおかげで、飽きることなく何周も友達とプレイしたっけなー。
どんなクラスチェンジにしても全クリはできるし(難易度は変わるが)とても楽しいシステムでした。

戦闘システムに関しては、動きがもっさりとか言われていますが、個人的にはAボタン連打で済む簡単なアクションRPGが好きです。
目が疲れないし酔わないよね!
「カウンターシステム(こっちの魔法、必殺技に対してあいても必殺技を撃ってくる)」という問題もあるが、今「カウンターシステム」を理解してプレイすると、難易度が下がって、凄く簡単に全クリできてしまう。
だから「カウンターシステム」を知らないで、バンバン魔法、必殺技を撃って、敵からカウンターされてた当時の方が、難易度が高くて緊張感があった。
「カウンターシステム」を理解してなかった小学生だった頃、ルガーの強さといったら。
そいういう意味でも、無知な時にプレイできて凄く楽しかったな。

終わりに、ゲームと芸術の関係

以上!

1グラフィックが凄い
2ストーリーが凄い
3クラスチェンジシステムが凄い
の3本柱で聖剣3をベタ褒めしてみました。
ブログを書きながら思ったんだけど、やっぱりゲームっていいよね!
特に俺的にはRPGが良い。
デザイン学校「バウハウス」の創始者、グロピウスは
「全ての造形芸術が最終的に目指すところは完成した建築にある」
っていう言葉を残してる。
それは建築には、絵画、彫刻、工芸が含まれるからなんだって

でさ。

俺も思ったわけ。
「いやいや、グロピウスさん。全ての芸術の最終地点って案外RPGかもよ?」
って。
だってRPGって絵画(グラフィック)音楽(ゲームミュージック)文学(物語)の合わせ技じゃん!
たかがゲームと侮るなかれ!

2019年のE3が終わって、今年のラインナップが見えてきました。
今から楽しみですね!
ありがとうございました。

  

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