BETABOME(ベタ褒め)FACTORY

自分を褒めて。同時に他人も褒めて。色々感じたことや考えたことを書きます。

アニメ「ラディアン2期 第5話 雨音静かに心は遠く」のセトとメリのすれ違いについて考える。

「ラディアン(Radiant)」はトニー・ヴァレント原作のフランスの漫画であり、アニメはNHK Eテレにて2018年10月から第1シリーズ、2019年10月から第2シリーズが放送された。

俺はこれまで、このアニメを何気なく見ていた。
このアニメはよく言えば王道。悪く言えば新鮮さに欠ける。
そんなアニメであるが、俺はこのアニメが好きだった。
1期では終盤、きちんと盛り上がるところは盛り上がるストレートなシナリオに感動した。
また主人公「セト」とヒロイン「メリ」の関係が微笑ましかった。
俺は「千と千尋の神隠し」の千尋とハクを見守る釜爺(かまじい)ポジションを得たが如く
「愛じゃよ!愛」
と心の中で呟きながら2人の関係を見守っていたのだ。
しかし、第5話「雨音静かに心は遠く」で、2人は衝突してしまう。
正直、めちゃくちゃ悲しかった。
セトとメリ、どちらの言い分もわかるけど、、、、
見てて辛いわ!
俺は酒を飲みながらアニメを鑑賞する。悲しいお酒になちゃったよ!
まったくもう。

で、今回は第5話「雨音静かに心は遠く」のセトとメリのすれ違いについて考えてみる。
具体的には、セトの悪かったところと、メリの悪かったところと、ドクの悪かったところを考えていきます。
自分は原作は未読です。
(この記事はネタバレを含みます)

f:id:alex04sandra20:20191103152744j:plain

 まず、主人公「セト」とヒロイン「メリ」の衝突する経緯をざっとおさらいしよう。

魔法使いセトは、人を襲う「ネメシス」という怪物の巣窟「伝説の地ラディアン」 を探す旅にでる。
その過程で、一人前の魔法使いを目指すヒロイン、メリと研修者「ドク」と出会い行動を共にする。
温厚で天然なメリだが、彼女は精神的ストレスが溜まると攻撃的な性格に変わるという呪いを持っていた。
しかしセトはそんなメリのコンプレックスを簡単に受け入れ、ありのままの彼女を肯定する。
そして共に行動する中でセトとメリは信頼を深めていく。
この過程がほのぼのしていて、見ていて心地よかったのじゃよ
物語は基本的にコミカルな描写が多く、のんびり鑑賞していたが、1期後半は、
「人種差別「や「大衆の感情を煽った暴動」
など、シリアスな物語が展開された。
その過程で主人公は自分でも制御することのできない強力な力を目覚めさせてしまう。
暴走モード
セトはその力を怖れた。
今後、メリやドクと行動を共にし、伝説の地「ラディアン」を探すことになれば、メリを危険な目に合わすことになる。
セトは、そう判断し、メリには「手紙だけ」を残して、何も告げずに次の目的地にむけて1人で旅立ってしまった。
結果的にこのセトの行動はメリに大きなショックを与えることになってしまった。
そしてセトはメリから信頼を失ってしまう。
以上が2人の衝突の経緯。

ここからは
セトの悪いところ
メリの悪いところ
ドクの悪いところ
の3つに分けて話を深めていく。

セトの悪いところ

結論。
セトは自分で考えて行動してない。

まぁ、ねぇ。セトさんや。
君はザ!少年漫画の主人公って感じのキャラだよね。
単純!一途!仲間思い!馬鹿!一直線!
HUNTER×HUNTER」でいうところの「強化系」
気持ちは分かるよ。
けど1期のラストで、仲間になにも言わずに旅立ってしまったのは俺も、
「えーーずいぶんあっさりだな。冷たいな。」
て思ったよ。
で、少し彼の行動について考えてみたいんだけど、
セトって意外と他人の言う通りにしか行動できない。
自分の意思で考えて行動していない。
って思った。
目の前に苦しんでいる人がいるから助ける。
伝説の地「ラディアン」を目指す。
彼の行動や目標はストレートで分かりやすい。
しかし自分の中でコントロールできない「暴走モード」を目覚めさせて弱気になっている時ドクに
「今回はたまたま生きて帰ってこれた。しかし次はわからない。今回はラッキーだったが次は死ぬかもしれない。お前はいつまでメリを危険な旅にさらすつもりなのか?」
と責められた。
すると、セトはそのままその言葉を真正面から受け止めてしまうのだ。
確かにそうだ。
ドクの言う通りだ。
で、1人旅立つ。

ドクの意見を聞く

ドクの言葉をそのまま真に受ける

ドクの言う通りに行動する

これってさぁセト君。
君はドクの言う通りにしただけで、自分は何も考えなかったよね?
って言いたい。
人に優しいセトは、人を信じている。
人を疑うことを知らない。
それはとても良いことだが、セトは人を信じるがあまり、自分でよく考えて行動決定することを疎かにしている。
自分自身の力でよく考えて行動決定すること。
これを怠り続ける限り、、
今後セトは人に裏切られるばかりか、良かれと思った行動がメリのように大きく人を傷つけてしまう結果を生むんじゃないか。
って思いました。
セトは精神的にも能力的にも未熟だ。
だけど、だからこそ、他人の言葉を全力で信じずに、自分自身の力で考え、答えを導き出しそれを行動に繋げててほしい。

メリの悪いところ

結論。
セトを盲信しすぎた。
声優、悠木碧さんの演技がガチすぎて若干メリがキャラ崩壊を起こした。

個人的にメリは大好きなキャラクターでして、、
普段は温厚で防御魔法が得意だが、ストレスが溜まると攻撃的な性格になって攻撃魔法が得意になるっていう設定は、俺の少年心を掴んだ。
また声優悠木さんの演技が素晴らしく、温厚メリと怒りメリで声色が違うので
「1人の声優さんが演じてるんだぁ」
と感動していた。

で、そんな魅力的なメリ。
が。
この5話で雨の中、セトは自分の行いを謝ろうとメリのもとへ尋ねるとメリは、
メリ、、、さん???
ってほどにセトに対して冷ややかだった。
冷たいナイフの様
メリは基本的に明るくコミカルなキャラである。
常に前向きで明るく、自分にも他人にも一生懸命な女の子だ。
等身大の自分を受け入れてくれたセトを必死で応援し仲間として大切にした。
普段コミカルなキャラクターなので、ギャップがめちゃくちゃ怖かったわ!!
メリ、、さん???
え?、、、メリ、、、様??

メリはセトに対して、
感情のままにブチギレる訳でもなく、
泣いて責める訳でもなく(まぁ最後泣いてたが)
あなたはだれですか?みたいな冷ややかな態度でセトに接した。
すなわち冷戦
一番怖いやつ。
「あなたは私からの信頼を失った。あなたはだれですか。もう私とあなたは仲間ではない。他人です。さようなら」
こんなノリ。
感情のままブチギレしてくれればどんだけ良かったか。

で、
ここでメリがこんなにも傷つき、セトに対して冷たすぎる態度をとったのか?
を考えてみると
それは
メリはセトを盲信しすぎた。
のだ。
恋愛感情があるかはわからないが、メリはセトが好きで、仲間として信頼していた。
ストレスが溜まると性格が変わるというコンプレックスをセトは簡単に受け入れ、ありのままの自分を受け入れてくれるところ。
セトの真っ直ぐな性格。
優しさ。強さ。頼もしさ。
だから彼女は仲間であるセトが傷付けば休まず看病する。
セトが傷付けば必死で助けようとする。
うん!いい子だ!

しかし、確かにメリはセトを信頼していたが、それはいつからか盲信に変わっていた。(と思う)
1期20話「予兆」にて、
セトは自分が暴走する可能性があることを心に引きずっていた。
セトは悩みや不安があると、見境なく行動しまくってしまうらしい。
要は落ち着きのない奴
で、
セトは心を紛らわすためにドクのペットであるイカの主食品であるコーヒー豆を探す訳だが、
そのはしゃぎっぷりを師匠兼育て親の「アルマ」に
「あんた、不安や悩みがあるだろ?あんたに悩みがある時、あんたは落ち着いていられず、はしゃぐ」
と心を見透かされる。
いっぽうメリはセトを盲信しているので、セトの心の機微に触れることができないのだ。
そして、致命的になるのが、自分をネメシスから助け出してくれたセトが「暴走モード」だった際のこと。
彼女はセトの心の葛藤を知るが、セトの葛藤に迫ろうとはしなかった。
それはセトを信じ切っていたから
(正確にいえば、自分が信じたい「セト」を信じ切ろうとしていた。その方が楽だから)
セトは絶対に私を1人にはしない!
と。
結果。
セトは1人で旅立つ。
これはセトの過ちかもしれない。
確かにメリが言った様に俺も
「セトさんや。メリちゃんに相談したらどうじゃろう?」
って思った。
けれど、メリはセトを盲信していたので、セトのこの過ちは、彼女の中では
「怒って済まされるもの」
ではなく、
冷戦に持ち込むほどの逆鱗に触れてしまうのである。

盲信するってことは相手(セト)が過ちを一度でも過ちを犯してしまったら、許されないのだ。
盲信
これは言い換えれば
「自分にとっての都合の良いセト、自分の思い通りに動くセトを信じる
ことだかである。
盲信に許しはないのだ。
メリはセトを盲信するあまり、セトの過ちを受け入れることができなかった。

声優悠木碧さんの演技がガチすぎて若干メリがキャラ崩壊を起こした。
悠木さん。
怖いすぎです。
彼女はヒロインからマスコットキャラクターまで、様々なキャラクターをハイレベルでそつなくこなしてしまう凄腕の声優です。
が、
迫真の演技すぎて、怖かった!
メリっていうか、、、
名探偵コナン」の灰原哀さん?
あれ?声優、林原めぐみさんやっけ?ってちょっと錯覚した。
「なにを謝るんですか?」
ってメリが最初に言うとき怖くてちびったよ俺。

ドクの悪いところ

地味にセトとメリの喧嘩の原因に大きく加担した張本人やろ!!ドク!
セトが自分が制御できない「暴走モード」について悩み、弱ってる時に、
「いつまでメリを危険な目にあわせるんだ?」
とかさ。
更に追い打ちかけてどうすんだよ!!!
ドクさんやぁ。
あんたは見た目は子供でも中身は「立派な大人」なんだよ?
年長者であるドクが、精神的に未熟なセトやメリを励まし、導き、サポートしないでどうすんだよ!!!
ドクについてはこれだけです。
ギャグキャラなのか、1本スジが通ったキャラクターなのかも、現時点では判断できないので、考察もなにもない。
ただ、セトに対して
「いつまでメリを危険な目に合わせるんだ?」
と責めるならなば、
ドク自身も自分が放ったその言葉に責任を持たなければいけないと思う。
発言に責任を持つとは?
つまり、ドクはメリのことを思うなら、メリに何を言われようがメリにボコボコにされようが、命をかけてでもメリが「カスラーン・マーリン」に行くのを止めるべきなのだ。
ドクの思考は
伝説の地「ラディアン」を求める冒険には死のリスクがある。

メリを危険に晒したくない。

アルテミス学院に住み続けるべきだ。
という考えだ。だったらその思考を行動と共に一貫しなさいよ!
ドクはセトに放った「キツイ」言葉に対して、ドク自身は
「自分が放った言葉に行動としての責任を果たせてない」
と思った。

以上。
今回は、アニメ「ラディアン2期 第5話 雨音静かに心は遠く」のセトとメリのすれ違いについて考える。
でした!
基本的にセトとメリは似ています。
メリ自身も言っていますが、
彼女もセトと同じ様に人格が変わるという
「暴走モード」
を持っているのです。
スムーズにいけば2人はその「痛み」を共有できるはずでした。

セトの気持ちも分かるしメリの気持ちも痛いほど分かりました。
だから、その日の俺の晩酌は辛いものでした。
まずいお酒になっちゃったよぉ。
原作は未読なので、今後の展開は分かりませんが、
セトとメリはきっと仲直りして、以前よりも強い絆で結ばれると信じています。

2人の衝突の際、雨は静かに降っていました。
しかし、止まない雨はありません。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ブログ村に参加しています。

にほんブログ村 アニメブログへ
にほんブログ村